東海国立大学機構ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン&ビロンギング(Diversity, Equity, Inclusion & Belonging: DEIB) 推進宣言
岐阜大学と名古屋大学を統合し全国初の一法人複数大学として発足した東海国立大学機構は、“Make New Standards for the Public” をミッションに掲げ、知とイノベーションのコモンズとして、常に国立大学の新たな形を追求し、地域と人類社会の進歩に貢献し続けることを存在意義としています。東海国立大学機構は、構成員の多様性がその基盤であり、イノベーションの源泉であると考え、全ての多様な構成員が、互いを認め合い、信頼関係を築き、それぞれの能力を最大限に発揮できるよう、歴史的・社会的に形成された差別や格差の構造を積極的に是正し、公正な教育・研究・労働環境を提供することを目指しています。
名古屋大学は、2001年の「名古屋大学における男女共同参画を推進するための提言」以降、ジェンダー平等を積極的に推進し、その取り組みは国内外で高く評価され、2015年、国連機関UN Womenの「HeForShe」において世界の主要10大学の一つに選出されました。同年、バリアフリーの視点を拡大し、グローバル化にともなう構成員や来訪者の多様化へも対応するための指針として、キャンパス環境整備のための「名古屋大学キャンパス・ユニバーサルデザイン・ガイドライン」を定めました。2018年には、「LGBT等フレンドリー宣言」、および名古屋大学のダイバーシティ推進施策の包括的な基本方針として「個人の尊厳を守り多様な個性を尊重する名古屋大学基本宣言」を発出しました。
岐阜大学は、2010年に「岐阜大学男女共同参画宣言」と「岐阜大学男女共同参画行動計画」を策定して以降、性別にかかわらず個性を尊重し能力を発揮できる教育・研究・労働環境の確立を目指してきました。2021年には、岐阜県内の他大学および民間企業とともに「多様な研究者と拓く岐阜の未来プロジェクト」を設立し、岐阜県内の研究分野における男女共同参画・ダイバーシティの推進に取り組んでいます。
東海国立大学機構は、これからも、多様性(Diversity)、公正性(Equity)、包摂性(Inclusion)を積極的に推進して構成員が帰属感(Belonging)を得られ、全ての多様な構成員が、性、民族、言語、国籍や文化的背景、宗教、信条、政治上その他の意見、出身、財産、門地その他の地位、婚姻の状況、家族関係、ライフイベント、ライフスタイル、心身の機能の障害、疾患、年齢、経歴、外見・容姿、その他いっさいの個人の事由にかかわらず、その尊厳が守られ、公正に包摂されることによって、帰属感を持ちうる組織であり続けるための施策を、いっそう推進していくことを、ここに宣言します。
1.ダイバーシティ(多様性)
東海国立大学機構は、全ての構成員の多様性を尊重します。ジェンダーギャップをはじめとした個人の属性に関するあらゆるギャップの解消を目指し、様々な国籍や民族的ルーツを持つ人々を歓迎し、使用言語や身体的・精神的特性の相違に関わる社会的障壁の除去を進めます。
2.エクイティ(公正性)
東海国立大学機構は、全ての多様な構成員に活躍の場を提供できるよう、あらゆる偏見や差別を排し、女性、性的マイノリティ、障害者、外国人、少数民族等に長年にわたって不利益を生じさせてきた差別的な社会構造の是正に積極的に取り組み、意思決定を含む全ての活動における公正性を高めます。
3.インクルージョン(包摂性)
東海国立大学機構は、様々な属性や背景を持つ構成員を包摂し、構成員の誰もが互いを尊重し、支え合う共生社会を実現するための努力を続けます。国籍や文化的背景によって、また何者も子育てや介護を含む種々のライフイベントにより、学業や教育・研究・就労における不利益を被ることのないよう、サポートシステムを拡充します。
4.ビロンギング(帰属感)
東海国立大学機構は、積極的な差別是正措置を講じ、全ての多様な構成員が尊重され、その尊厳が守られ、正当に評価され、必要とされていると自覚できることによって、信頼感を持ってそこに帰属することができ、その活動に主体的に取り組めるような組織となることを目指します。